予想外に高い出席率…裁判員候補者呼び出し
9月28日15時32分配信 読売新聞
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8月から各地で行われている裁判員裁判で、地裁から呼び出された裁判員候補者の出席率が平均で9割を超えている。 世論調査で裁判員裁判への低い参加意欲が問題になっていただけに、「予想外」という評価もあるが、なぜ高い出席率を維持できているのか――。
28日までの裁判員裁判は東北から九州まで11地裁計14件。初公判前に行われる裁判員の選任手続きで、出席義務がある候補者の「出席率」は、千葉地裁の強盗傷害事件で98%(51人中50人)、福岡地裁の殺人事件も98%(47人中46人)などと、軒並み高率を記録した。
最も低かった高松地裁でも78%(37人中29人)を確保し、全体平均で91%に達している。 内閣府が今年7月に公表した世論調査の結果では、候補者になった場合に「義務でも行くつもりはない」と回答した人が26%に上っていた。
それだけに、ある刑事裁判官は「出席率は6~7割と予想していた。うれしい誤算」と話す。 8月にさいたま地裁で行われた選任手続きの際、男性候補者の1人は「誰かは必ず(裁判員に)選ばれる。国民の義務を果たしたい」と話した。
また、東京地裁の選任手続きに参加した男性候補者は「裁判に参加できることに興味があった」と取材に語っている。 別の刑事裁判官は、出席率が高い理由を「出席できない人は事前に広く辞退を認めたからではないか」と分析する。
実際、14件で計958人に送付された呼び出し状には、辞退を希望するかどうかを尋ねる「質問票」が同封され、約3割に当たる306人は、重い病気や家庭、仕事の事情などを記入し、地裁から事前に出席義務を免除されていた。
ただ、来月に傷害致死事件の裁判員裁判を行う予定の熊本地裁は今月、51人の裁判員候補者に呼び出し状を送ったが辞退希望者が相次いだため、32人に追加発送した。審理が長期間に及ぶケースでは、「辞退希望者数が増える」(ベテラン裁判官)とも予想される。
一方、当日欠席した候補者について、裁判員法は、正当な理由がない場合は10万円以下の過料を支払わなければならないと定めているが、「正当な理由」の有無を調査するのは困難で、実際に過料が命じられる可能性は低いとみられる。
◆低出席率に悩む国も◆
国民の司法参加の歴史が長い欧米などでは、出席率の低さに頭を悩ませている国も多い。 12人の市民が事件ごとに選ばれる陪審制度の米国カリフォルニア州で、民間団体が1999~2000年に陪審員候補者の出席率を調査したところ、呼び出し状を受け取った人の4分の1未満だった。
陪審員になる資格のない人にも呼び出し状を送っているため、日本の出席率と単純比較はできないが、同団体の報告書は「呼び出しを無視する人も多い」と指摘している。 イタリアは、参審員の市民6人が任期3か月で複数の事件を担当。
日本の最高裁の調査結果によると、ミラノの裁判所では参審員候補者の出席率が半数程度にとどまり、休暇の時期はさらに低くなるという。また、ローマでは、出席する人が参審員の報酬目当ての失業者らに偏っているという指摘があり、問題となっている。
最終更新:9月28日15時32分
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